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家づくりから考えるSDGs vol.1

持続可能な社会について考え日本でも SDGsの文字を目にするようになったころ

JIA日本建築家協会 関東甲信越支部 環境委員会 SDGsWGを発足し、”建築とSDGs”の関りを学びだしました。

17のゴールは示されているもののその道筋や手法は問われないためか、『SDGsは解りにくい』『良く解からない』という声をよく耳にします。

そこで、建築とSDGsとの関りを考えるきっかけになればと思い、先日のシンポジウムでお話させて戴いた内容の一部をマッピングしたスライドと一緒に何回かに分けて書こうと思います。

 

『家つくりから考えるSDGs』 vol.1

 

事例は自宅兼事務所 Luce. です。

私はこの家が、この地にふりそそぐ太陽の光とともに、これからの家づくりの”ひかり”となるよう名前を付けました。

場所は埼玉県川口市。古くは鋳物の街として知られ、住宅が立ち並ぶ”ふつうの住宅地”です。

土地の広さは30坪。両隣はすぐ近くに家が建ち、北側は鋳物の工場というこの街にごくありふれた環境でした。

この限られた場所にある太陽の光から家族4人分の電気をまかない、湯をつくり、自然の風と少しの工夫を楽しみながら身の丈にあった暮らしをしたいと考えました。

なるべく小さく家をつくり、少ないエネルギーで気持ちよく、快適に暮らせるように設計をしています。

この家の設計は屋根から始めました。屋根には太陽光から電気を作るパネルとお湯をつくる太陽熱温水器を載せました。小さくても庭を造ること、全面道路が4mであることから道行く人にも圧迫感のない2階建てにすること、前を通る人の気持ちも和ませるよう塀も木で作りました。

こちらが電力自給設備です。当初はオフグリッド(電力網につながず完全に電気の自給をすること)予定だったのですが、将来様々な要素が考えられたので、電気を買うことも売ることも出来る設備を選択しました。

家の間取りは用途の可変性を考え、また構造的安定を考慮し、シンプルかつコンパクトに、密集した土地でも風が抜けるよう重力換気を使う設計をしています。

断熱の性能はUa値0.46と、地域のZEH基準よりは少しだけ高性能で、Heart20のG2グレードになります。

夏は27-8度くらい、冬も19度を切らないよう生活していますので、とても快適で体調を崩すことがなくなりました。

日本では室内温度環境の基準はありませんが、世界の国々には一定の基準等があり、例えばイギリス保健省では全室18℃を最低推奨温度としています。低い室温は人体に大きな影響を与えることから、寒い室内は基本的人権を侵害しているという考えなのです。

左上のグラフからも解るように、日本の省エネ基準は先進国の中でも建築物の性能が低いと言われています。

時代背景もあってようやく話題になっていますが、日本も福祉や健康寿命の観点からも、すべての人が同じように健康に暮らせる環境を整えていく社会になってほしいと考えています。

 

お読みいただきありがとうございます。次回は、木と家について書きます。

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